松の種子技術開発研究会
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研究について


■松の種子の外殻を砕く機械の開発から

松の種子が私の人生に登場してきたのは昭和40年代のこと。当時、私はお菓子の製造販売業に携わっていました。

広島と旧ソ連のレニングラードが姉妹都市になるのを機に、広島市長をはじめとする訪問団がレニングラードを訪れたのですが、その中のひとりが親戚の貿易商で、松の種子を5トン輸入することにしたのです。それで、売り物として何とかならないものかと持ちかけられたのです。

旧ソ連の人たちはよく、松の種子をポケットにいれておいて、これを口に含んでクチャクチャさせツバで外殻を柔らかくしてから身を取り出し食べては、ウォッカを飲むのだそう。こうすると松の種子の成分が胃の粘膜を覆うので、強いウォッカから胃を守れるというのです。

松の種子の外殻については今度こそ、何とか「征服」したいという気持ちもありました。それでいろいろ研究してオリジナルの殻割りパンチを考案したのです。

「松は不老長寿 天然殻付き松の実」と銘打ち、このパンチを付けて売り出したところ、朝鮮半島や中国などから引き上げて来た人たちに大人気。現地にいた時、健康にいいといってはよく食べたと喜んで買ってくれたのです。

これに気をよくし、大幅に増量して20トン輸入したのが、私の第2の人生というか、松の種子とがっぷり四つに組む人始まりとなりました。

松の種子の外殻を砕く本格的な機械の必要性を感じ、本業のかたわら、いろいろな人にアドバイスを受けたり、工場に泊まりこんだりしながら、苦心惨憺の末、先に紹介したように「脱穀機における種子自動送り装置」や「硬質種子の自動破砕装置」といった機械を発明、特許を取得したのです。ちなみに、中国では種子を割る機械がないため、大勢の人々が金槌で叩いて割り、大変な手間をかけて世界各地に出荷していました。

また、中国では生の実は食べません。殻ごと炒ってから実を取り出して食べるか、あるいは金槌で割って取り出した実だけ炒って食べるか、もしくはお粥やご飯、惣菜の中に入れ、熱を通して食べるのが普通です。

なぜなら生の実を食べ過ぎると、鼻血が出たり、のぼせたりと、結構きつい症状を招くためです。これには、実の中に含まれている酵素が関係しています。ただし、この酵素は熱に弱く、熱を当てることにより失活してしまいます。

私はこれをヒントに、殻を割って大量に取り出した松の実をより一層おいしく食べられるように、遠赤外線焙煎装置を新たに開発しました。


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■苦労の連続から生まれた「松の種子オイル」

私は30年の研究生活で、松から本当に多くの恵みを与えられました。
その中でも中心となるものが、「松の種子オイル」と「松の種子エキス」です。

実は、松の種子オイルはふとした思いつきから生まれました。ある日の作業中に松の実をさわっていると、荒れている手もつやつや、すべすべになることに気がついたです。私は「松の実はどうやら皮膚に良いようだ。それなら今度はオイルを絞ってみてはどうか」と考えました。

早速、搾油機にかけてみましたが、既成の搾油機はすぐに焼きついたり、白い実だけを絞ると空転し始めました。松の実は格別にオイル分が多く、機会がスリップして作動しなかったのです。溶剤を用いてオイルを抽出すると、松の実の持つ良質な成分が損なわれ、私の基本である自然抽出に逆らうことになると思ったため、私は何とかして実をそのままつぶして抽出する搾油装置を完成させたいと思いました。

しかしながら、機械で大量に絞るとなるとひと工夫もふた工夫も必要で、まったく苦労の連続でした。

しかし「松の実には不老長寿のための何かがある」という一念で試行錯誤を続けるうちに、その後、専門メーカーにもできなかった搾油装置を完成させることに成功したのです。これもまた、特許を取得しています。もちろん、機械の発明にとどまらず、取り出したオイルの分析、研究、実験は大学や専門機関にお願いするとともに、自分自身でも腰をすえて取り組みました。

その結果、松の実オイルはアトピー性皮膚炎や高血圧の予防・改善、老化防止などに
特異的に効力を持つ脂肪酸が含有されていることが明らかになりました。


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■松の種子殻抽出物に有効成分を発見

なお、松の種子の約7割は殻ですから、松の実を取り出した残りの外殻は相当な分量になります。当初は銭湯でおがくずと一緒に燃やしてもらっていましたが、そのうち湯を沸かすのに重油を使うようになって銭湯では不要になってしまいました。山のようになった殻に困りはてていた時、私の妻がテレビのワイドショー番組で「松笠がガンに効く」と紹介しているのを見たのです。

その発信元が昭和大学医学部の研究グループ(当時)でした。「五葉の松の松笠を煎じて飲むと胃がんによい」という九州地方の民間伝承を解明すべく研究を行っていたのです。私は、「松笠がいいなら、松の種子の殻もいいのではないか」と推察し、直接交渉して話を聞いてからもらうことにしました。

それがきっかけになり、さまざまな研究を経て、松の種子殻から抽出した有効成分に抗菌・抗腫瘍作用をはじめ、抗ヘルペスウィルス、抗インフルエンザウィルス、抗食中毒ウィルス、さらに抗エイズウィルスや抗肝炎ウィルス作用のあることが確かめられました。

松の種子に含まれる「SPN」の素晴らしい効力については、「研究成果」のページにて詳しく説明したいと思います。


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