松の種子の研究はまず、機械や装置を開発・発明するところから始まります。いくら硬いとはいえ、松の種子の外殻を割るぐらいの装置はどこかにありそうなものですが、信じがたいことに、これがどこにもありませんでした。それで機械の専門家に教えを請うたり、独自に研究したり、試行錯誤しながら自ら開発・発明する事になるのです。松の種子に関しては、ことごとくこの繰り返しでした。
振り返ってみると、ほぼ30年の研究・開発期間のうち、半分が機械や装置の発明、残り半分が松の種子の成分の研究といえます。
これほどまでに松の種子に情熱を傾けていったのは何といっても、それが私の天命に違いないと思えたことによります。
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